マンション内失踪バラバラ殺人事件に見る帰宅時の危険な瞬間
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事件の概要
「切断遺体、流して遺棄」=女性追い自室連れ込みか 侵入容疑の男 警視庁
2008年5月
東京都江東区潮見のマンション9階に住む会社員東城瑠理香さん(23)が行方不明になった事件で、住居侵入容疑で逮捕された2つ隣の部屋に住む派遣社員星島貴徳容疑者(33)が警視庁深川署捜査本部の調べに対し、殺害して切断した遺体について「流して捨てた」と供述していることが26日、分かった。
捜査本部は同容疑者が帰宅を狙い、背後から追い掛けて計画的に襲った上で、自室に連れ込んだとみて調べている。
捜査本部は25日、星島容疑者が先月18日午後7時半ごろ、東城さん宅に侵入したとして逮捕した。
調べに対し、同容疑者は東城さんが帰宅した際、背後から追い掛けて部屋に入ったと供述。殺害を認め、遺体を細かく切断し、流して捨てたとの説明もしており、捜査本部はトイレや浴室の配管など水回りを調べる。
容疑者はなんと同じマンションの住人
今日現在では容疑者は逮捕されたばかりで真相解明はこれからといったところです。しかし報道では容疑者本人が最低限の自供をしている内容を報道しています。
被害者、容疑者は同じワンルームマンションの9階という同フロアーに住んでいて、マンションはオートロックや防犯カメラが完備されているいわゆるセキュリティの整ったマンションでした。
事件発覚当初は姉より先に帰宅した妹(被害者)が帰宅メールを姉に送ったのを最後に忽然と姿を消し、玄関ドアの鍵は開いたまま、買物の荷物は置いたまま、台所の果物ナイフが1本なくなっており、玄関付近に血痕が残っていて、しかもマンション入り口の防犯カメラには帰宅する被害者の様子は映っているにもかかわらず、出て行く様子は映っていないとう状況でした。
この失踪事件から約1ヵ月半を隔て、ようやく逮捕された容疑者はなんと同じマンションの住人でした。
容疑者の犯行手順
現在わかっている内容としては、容疑者は以前から被害者の女性に目を付けていたようです。事件の起こった階は被害者と容疑者の部屋以外は空部屋であり、多少の物音でも周囲に気づかれにくいといった点も犯行に至ったきっかけの一つなのかもしれません。
容疑者は事件当日、被害者の帰宅を1時間以上も待ち伏せし、帰宅した被害者が玄関のドアを開けたと同時に押し入り、殺害に至ったようです。容疑者はあろうことか遺体をバラバラに切断し、トイレに流したと供述しています。
事件から得られる教訓
単純だが盲点 帰宅の瞬間
帰宅時に防犯上注意すべきポイントは沢山あります。
電車の中、暗い夜道、狭い路地などなど・・・・
これらの要所々における注意点については以前から公開しています。
そして最後に訪れる危険な瞬間が帰宅時のドアを開ける瞬間です。
例えば一人暮らしの人が帰宅時に、疲れた体で買物の荷物などを抱え、片手に持った鍵でやっとドアを開ける。
ほっとする瞬間ですね。
この瞬間に不審者が背中を押しながら部屋に押し入って来たらどうなるでしょう。
あっという間に不審者と二人きりの危険な密室になってしまいます。
いくらセキュリティ完備のマンションでも、同じマンションの住人に襲われれば意味がありません。
私自身もセキュリティ完備のマンションに住んでいますが、それでも周囲に気を配ると盲点が沢山あります。エレベーター脇の階段入口は格好の待ち伏せ場所です。廊下はL字になっていて、その仕切り壁も人が隠れるには十分。まして今回の事件のように隣人から狙われている場合、相手は自宅玄関で待ち伏せしている可能性すらあります。
自宅の玄関を開けている時に隣人がにこやかに出てきたら、誰しも笑顔で挨拶するでしょう。今回の事件でももしかしたら、そうやって被害者に近づき、次の瞬間には部屋に押し入ったのかもしれません。
防犯対策 - ドアを開ける前
まず部屋のドアを開ける時に必ず周囲を見回して下さい。マンションではよほどタイミングが合わない限り、普段廊下は無人です。もし誰かがいれば、警戒する理由としては十分です。
次に、もし自分が待ち伏せするとしたらどこに隠れるだろうかと想像し、隠れられる場所をピックアップしてその場所にも気を配りましょう。できれば自分のドアに行く前にわざわざ確認してまわるくらいでもやりすぎではありません。実際に私の自宅もエレベーターを出てからドアまでの間に3箇所ほど死角がありますが、一つ一つに目線を送り、安全を確認してからドアに向かいます。
普段のこうした用心は地味で面倒でとても大袈裟に感じるかもしれません。しかし今回のような事件を知ると、いくら用心してもし足りないと改めて実感します。
こうした警戒を通し、少しでも違和感を感じたら、決して自分のドアには近づかず極端に言えば外に戻ってしまいましょう。少なくとも自宅を知られる事のないように注意し、不審者からできるだけ離れることが大切です。
「周囲の安全を確認してからドアを開ける」
このルールを無意識に守れるまで徹底して下さい。
防犯対策 - ドアを開けた後
素早く中に入り、すぐにドアを閉めて鍵をかけて下さい。
もし誰かが走ってきてドアをこじ開け押し入ろうとしても、とにかく死に物狂いで抵抗し、相手を部屋に入れないようにして下さい。避けようが無く相手が室内に入ってしまった場合には、すぐに外に出てください。相手と二人きりの室内より廊下など外にいるほうが遥かに安全(相手が危害を加えにくい)です。
それでも室内で対処せざるを得ない場合の対策用として、玄関やリビングに中型の催涙スプレーを置いておくと効果的です。玄関で争う場合は玄関常備の催涙スプレーを噴射。走ってリビングまで逃げられた場合はリビングの催涙スプレーを噴射です。狭い室内なのでガスが充満するなどと心配していられません。直接受けた相手はこちらの何十倍もの激痛にもがき苦しみ動けなくなります。その間に、出来れば息をとめて(又は浅く息をしながら)外へ逃げ出して下さい。
防犯対策 - 帰宅後
可能性として否定できないどころか十分に気をつけておかなければならないのが、不在の部屋に最初から侵入されてしまっているというケースです。
空き巣被害は日常的な事件としてよく報道されています。空き巣とは、私たちが不在の間に空き巣犯がそっと忍び込み、泥棒を行う行為です。空き巣被害では、物を盗まれるだけで済むのは運が良いと言っても過言ではありません。タイミングによっては空き巣犯と室内ではち合わせになる可能性も否定できないからです。
帰宅して部屋に入っても、部屋の内部に少しでも違和感を感じたらまずは外に出ましょう。その後、友人や家族と2人以上で再度確認したほうが無難です。ちょっとした怖さや恐怖感を恥ずかしいと考えてはいけません。これらの地道な行動が、結果としてあなたに降りかかる危険を未然に防ぐのです。
万が一異変に気がつかず、不幸にして室内で不審者とばったり会ってしまった場合、こういった時は催涙スプレーや護身用スタンガンなどの護身用品が最後の手段として残されている事を忘れてはいけません。護身用品はどのような場合でも確実に相手を無力化できる優れたツールです。
最後に
ここまで読んで頂いた方にはよくわかると思いますが、防犯と自衛対策というのはあきれるくらい地味で面倒です。100回のうち99回はちゃんとやってたとしても、たった1回の油断のために悲惨な結果を招くかもしれません。
特に最近の住宅は、セキュリティをうたい文句にしている物件も珍しくはありません。しかし、どんなに設備が整っていようと必ず欠点はあります。そして最後に自分の身を守るのは自分自身の防犯意識なのです。
この記事をきっかけに一人でも多くの人の防犯意識が高まり、少しでも犯罪被害者が減る事を願っています。
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