ロックが固くて戻せない振出式特殊警棒の縮め方
振出式(ふりだししき)の特殊警棒は、腕を力一杯振って伸ばす伸縮式の特殊警棒です。
縮めた特殊警棒を勢いよく「ジャキン」と振り伸ばす様子はかっこいいですよね。
テレビや映画などにもよくこういったシーンが登場しますので、馴染みがあるかもしれません。
でも、この伸ばした特殊警棒って、縮めるのが大変だって知ってますか?
今回は、伸ばして強くロックされ、縮められなくなった振出式特殊警棒の縮め方について説明します。
確実なロックと簡単な収納を実現し、現在では主流となっているメカニカルロック特殊警棒についてはメカニカルロックアルミ特殊警棒が人気な4つの理由で詳しく解説しています。
まずはじめに 2種類の伸縮方法による特殊警棒の違い
特殊警棒には、伸ばした時のロック方法によって「振出式」と「メカニカルロック」の2タイプがあります。
まずは簡単に、両者の特徴と違いを説明します。
振出式特殊警棒
それぞれのシャフトが先細りに作られており、強く振出すとその遠心力で伸びてロックされます。ロックの力はシャフト同士の摩擦力です。縮める時は、特殊警棒の先端を固い床やコンクリートに打ち付けて縮めます。(ロックの度合いによってはこの方法では縮まらない場合も)
代表的な振出式特殊警棒 H-801B H-802B H-803B
メカニカルロック特殊警棒
シャフトを伸ばした時に、機械的にロックされるメカニズムを持った特殊警棒です。警棒先端を手で引き伸ばすだけで、確実にロックがかかります。 それぞれのシャフトのロックピンを押すとロックが解除され、簡単に縮まります。
このように、両者にはロックのメカニズムに決定的な違いがあり、伸ばし方と縮め方が全く違います。
一般的な振出式特殊警棒の縮め方
振出式特殊警棒を縮めるときの一般的な方法は、特殊警棒の先端を真下に向けて持ち、全身の体重をかけながらガンガンと目一杯打ち付ける方法です。この方法で大半の振出式特殊警棒はロックが緩み、縮められる状態になります。
注意
- かなりの力で打ち付けることから、打ち付ける相手にも強度が必要です。
- アスファルトは弱いのでお勧めできません。
- コンクリートが最適ですが、コンクリートにも割れや欠落が生じることがありますので、電柱や側溝の蓋など公共の場所のコンクリートは使用してはいけません。ご自分で用意したコンクリートブロックが最適です。
- 特殊警棒の先端の傷が気になる場合には、厚みのある(10cm以上が目安)丈夫な木材に打ち付けてください。
どうしても縮まらない振出式特殊警棒の縮め方
相談事例
振出式特殊警棒は「固くて縮まらない」という相談が以前から多く寄せられています。
最近あった相談を例として紹介します。
相談事例
振出式特殊警棒を振出したのはいいが、固くロックがかかってしまい、床に打ち付けても縮まりません。他店で購入した警棒ですが、購入店がどこだったか忘れました(又は既に廃業しているのかも)。大変失礼かとは思いますが、縮める事ができず困っていますので相談しました。
このように強力にロックされた特殊警棒を縮めるためには、一般的な「床に打ち付ける」では縮まらないケースがあります。過去の相談例では「縮まらないから諦めて捨ててしまったことがある」という方もいるほど、この縮まらないという問題は深刻です。
確実に縮める方法
先述の一般的な方法で、どうしても縮まらない振出式特殊警棒は、ハンマーを使って縮めるしか方法がありません。
大切な特殊警棒なので、この手は使いたくないという方もいると思いますが、縮まらない以上は仕方ありません。
単純ですが方法はこうです。
ハンマーを使った振出式特殊警棒の縮め方
- まず固い床(コンクリやアスファルト)に電話帳又は厚手の雑誌を置きます。
- 伸びた状態の警棒を、先端を下にして電話帳に乗せます。
- 上側にきたグリップ部の上部を雑誌又はタオルで覆います。 (電話帳も雑誌やタオルも警棒へのキズ防止が目的です)
- ここまで準備が出来たら、上からハンマーで叩きましょう。
- これでほぼ確実に、どんなにロックがきつい警棒でも縮まります。
どのような特殊警棒であっても、振出式である以上はロック固着のリスクが伴います。振出式警棒を選ぶ際は、それを十分に理解しておくようにしましょう。(逆に言うと、ロックがしっかりかかる特殊警棒は、使用中に緩んでしまう可能性が少ない良い警棒ともいえます。)
ロックが固くて戻せないとあきらめている方は、この方法を試してみてください。
縮めやすいように軽く振り伸ばしてはダメ
たまに「力を入れて振り伸ばすと収納が大変だから、手加減して振り伸ばしてる」という方がいますが、これは絶対にやってはなりません。
特殊警棒はがっちりロックされればされるほど、使用中に緩むリスクが低減します。もし使用中の特殊警棒のロックが緩んでしまうと、特殊警棒としての機能が損なわれ、護身の失敗に繋がりますので大変危険です。
「縮めるのが困難なくらい強固にロックされたほうが理想的」といえるほど、振出式特殊警棒には使用時と収納時の使い勝手が相反しているものなのです。
護身用品は身を守れないと意味がありません。収納のことは護身に成功したあとでゆっくり考えるべきことであり、伸ばす時は(振出式の特殊警棒に限りますが)満身の力で可能な限り強く振り伸ばすよう心がけてください。
問題解決のカギはメカニカルロック特殊警棒
現在主流となっているメカニカルロック特殊警棒は、振出式特殊警棒のロック固着問題を解決しています。摩擦力に頼るロックをやめ、ストップピンという機械的構造でロックを実現しているので、縮める時はロックピンを押すだけで誰でも簡単に縮められます。
例えば外出先などで特殊警棒を伸ばした場合、それを縮められなければ持ち帰る事すら出来ません。確実に縮まる事は大切です。
ロックを摩擦力に頼っている振出式特殊警棒は、まずはロック性能を最重要視して製造されます。振出した時に固くロックがかからなければ、使用中に意図せず縮んでしまう(ロックが外れてしまう)可能性があるからです。ですから縮まらないほどに固くロックがかかっても、それは良品であって、縮めにくいのは振出式である以上は仕方のないことです。この縮めにくさを根本から解決しているのが、メカニカルロック特殊警棒です。
メカニカルロック特殊警棒のメリットは、縮めるのが簡単というだけではありません。 むしろ最も重要視すべきなのは伸ばす時に「手で引き伸ばすだけ」という点です。
メカニカルロック特殊警棒は、伸ばす時に振り回す必要はありません。狭い場所でも、自宅の廊下でも、車の中でも、人混みの中でも、あらゆる場所で確実に伸ばしてロックができます。
同じ事を振出式でしようとした場合、ほぼ不可能です。振出式は警棒を強くスイングし、その遠心力を利用して伸ばすため周囲に十分なスペースが必要であり、狭い場所や人混みでは伸ばす事すら困難です。さらに言うと、不十分なスペースのせいでしっかりスイングできず、中途半端なロックになってしまうと、結果として使用中にロックが緩んでしまったり(グラグラ)、最悪の場合では突いた時に縮んでしまう危険性があります。
このように、あらゆる緊迫した状況下での使用を前提に、確実に使用できる構造を持っているのがメカニカルロック特殊警棒なのです。
最後に
固くロックがかかり縮まなくなった振出式特殊警棒を元通りに戻す時はハンマーを使用してください。
しかし、そういった問題を完全に解決したければメカニカルロック特殊警棒をお勧めします。
ディスカッション
ピンバック & トラックバック一覧
[…] ロックが固くて戻せない特殊警棒の対処方法 […]