スタンガンの電池の液漏れ原因と対策

2017年8月30日

電池の液漏れとスタンガン

スタンガンのトラブルで多いのが、電池からの液漏れによる電池プラグの固着です。せっかく購入したスタンガンを末永く使用いただくため、電池の液漏れの原因と対策を解説します。

スタンガンに使用する電池の液漏れ

スタンガンに使用する電池には、アルカリ乾電池とニッケル水素電池があります。

  • アルカリ乾電池 = 使い捨て
  • ニッケル水素電池 = 充電式

電池には種類によって液漏れするものとしないものがありますが、スタンガンに使用する電池はアルカリ乾電池、ニッケル水素電池両者とも液漏れを起こす可能性のある電池なので、液漏れに注意して使用しなければなりません。

なお、液漏れは電池の安全構造上避けられないものです。

液漏れのメカニズム

日本国内において、電池のトラブルの実に8割が液漏れです。

なぜ密閉を高めて液漏れを防げないの?と疑問に思う方もいるかもしれませんね。

その前に、まずは液漏れの仕組みを説明しましょう。

漏れる液体の正体は電解液

アルカリ乾電池も、ニッケル水素電池も、電池の中には電解液が入っています。

電解液とはイオン性物質を水などの極性溶媒に溶解させて作った、電気伝導性を有する溶液をさす。

(中略)

狭義には、電池や電気メッキ槽にいれる電解質水溶液を指す。 wikipedia

この電解液は液体で、主に過放電によって水素ガスを発生します。

水素ガスが電池本体内で発生した場合、完全に密閉された電池であれば、電池本体が膨張したり破裂する恐れがあります。

電池は、この膨張や破裂を防ぐために、異常に発生した水素ガスを外部に放出する仕組みを持っています。そして、放出のときに同時に電解液が漏れ出てしまうことがあり、これを液漏れといいます。

それでは、液漏れの原因となる水素ガスの異常発生は、なぜ起こるのでしょう。

液漏れの原因

電解液から水素ガスが異常に発生してしまう主な原因は、過充電と過放電です。電池が満タンになっても延々と充電を続けたり、電池がカラになっても使用を続けたりすると起こる過負荷です。

中でも特に多いのが過放電です。例えば何も使わずただ放置していただけでも、電池は自然に放電が進んでゆくため、いずれ過放電が起こります。長年テレビリモコンに入れてた電池が液漏れしたり、引き出しにしまいっぱなしだった電池が液漏れするような現象が起こるのは、この自然放電による過放電のためです。

充電による過充電は、電池専用の充電器を使用する場合には自動的に充電が完了して充電停止となるため起こりません。

液漏れの原因のほぼ100%が過放電であり、長期間の放置に起因するものです。

液漏れの被害症状

電池が液漏れを起こすと、主に電池のプラス極から電解液が漏れ出します。この電解液は強アルカリ性の液体で、漏れ出した電解液は電池プラグなどを腐食し固着させ、白や青の結晶の状態(俗に言う粉を吹いたような状態)になります。

電池プラグと固着した場合には、電池を取り外すことが困難となる場合もあり、無理をすれば電池プラグの破損に繋がります。

液漏れを起こさないためには

液漏れの最大の原因は過放電であり、使い果たして空になった電池のさらなる放置によるものです。

スタンガンは電池を装着しているだけで微弱ながら電池を消耗しますので、そのまま年単位で放置すると高い確率で電池が液漏れを起こします。

この過剰な放電を避けることが、電池の液漏れトラブルを防ぐ唯一の方法です。

そのため、スタンガンの維持管理には次の方法を必ず守ってください。

  • 2ヶ月以上使用しない場合には電池を外しておく
  • 継続して使用する場合には、電池は必ず2ヶ月に1度交換する

スタンガンは、護身用として使用する際に十分な電池残量を必要とします。その意味からも2ヶ月ごとに新品電池との交換が推奨されています。

スタンガンを継続して運用するときは、電池は2ヶ月に1度交換してください。このことにより、結果的に電池の液漏れも防げます。

2ヶ月を超えて長期間使用しない場合には、電池をスタンガンから外し、スタンガンと電池を分けた状態で保管してください。

くれぐれも電池をスタンガンに入れたまま2ヶ月以上放置しないよう注意してください。

スタンガンの電池が液漏れしたら

スタンガンに装着した電池が液漏れしたときは、それをすぐに発見できれば電池を電池プラグから外すのは容易です。(以下の「準備」をよく読み電解液に十分注意してください。)

しかしほとんど場合は長期間の放置が原因のため、電池と電池プラグは電解液による腐食で固着しています。この場合の対処方法を説明します。

準備

電池の電解液は強アルカリ性で人体に有害です。皮膚に付着しないよう注意し、ゴム手袋などと着用するとともに、目を守るためゴーグルを着用してください。

(注意)万一皮膚に付着した場合にはすぐに水で洗い落としてください。また、目に入った場合にはすぐに眼科医を受診してください。

固着した電極を外す

まずは電池を電池プラグから外さなければなりません。

ただ単に電池と電池プラグを引っ張れば、高い確率で電池プラグの電極が破損して抜けてしまいます。

電池とプラグ電極を外すときはプラグのコードに無理をかけないように注意し、「電池の電極」と「電池プラグの電極」の間に小型のマイナスドライバーを差し込んでこじるなどして外してください。このときに、ドライバーによって電池のプラス極とマイナス極をショートさせないよう注意が必要です。

(注意)出来ないときは当店へご相談ください。→問い合わせ

電極を清掃する

電池が外れたら、恐らく電池プラグの電極は白色や青色に変色し腐食しています。このままでは新しい電池を装着しても電気が流れる障害となるので、ヤスリなどを使用して、電池プラグの電極表面から腐食した膜を取り除きます。

綺麗になれば新品の電池を装着して使用できます。

出来ないときは当店へ(当店のお客様限定サービス)

液漏れ電池の固着は簡単には外れません。また、無理をするとスタンガンの電極プラグを破損させます。

難しいなと感じたら、遠慮なく当店へご相談ください。往復の送料だけご負担いただければ、作業料は無料で電池の取り外しと電極プラグの清掃を行います。

最後に

まずは液漏れさせない使い方として、以下の注意点を必ず守るよう心がけてください。

  • 2ヶ月以上使用しない場合には電池を外しておく
  • 継続して使用する場合には、電池は必ず2ヶ月に1度交換する

液漏れはプラグに悪影響を与えますが、スタンガン本体が故障するものではありません。

万一液漏れが起きた場合には、正しく電池を取り外し、電極プラグを清掃すればスタンガンはこれまで通り使用できます。

先述の説明を参考に、スタンガンの電池プラグを破損させないよう慎重に作業してください。

もし難しいなと感じたら、遠慮なく当店へご相談ください。→問い合わせ

当店のスタンガンを、皆様が末永くご愛用いただけるよう願っております。