知ってて損はない通話だけではない110番の方法(+全都道府県の110番方法)

2019年2月8日

スマートフォンで110番

2023/09/22更新

全国共通で使用でき、自動的に管轄の警察署へ通報できる「110番アプリシステム」が運用開始されていました。
詳しくは警視庁の「110番アプリシステム」についてをご覧ください。

このアプリの運用開始に伴い、本記事で紹介したメール等による通報システムは県警単位で順次サービスを停止していく模様です。
それにしてもアプリをダウンロードして、まずは事前登録をしないと使えないといういまいちな仕様は相変わらずです。電話では問答無用に受け付ける通報を、なぜアプリの時は条件を課すのか。相変わらず警察のすることは謎が多いですね。。
アプリで110番をする可能性のある方は、早めにアプリをインストールし、事前登録を済ませておきましょう。

護身や防犯の基本は、まずは目の前の危険に緊急対処することです。

そして、次に大切なのは警察への110番通報です。

110番通報は110番に電話をかけて状況や場所を伝えるという方法が常識ですが、あまりにも常識すぎて他の方法を考える機会は少ないのではないでしょうか。

全ての方が通話で110番通報できれば良いのですが、実際にはDV被害や連れ回しなどで加害者がすぐ近くにいる場合など、音声では通報が出来ない状況も考えられます。

気になったので調べてみると、そのような場合に利用できる通話以外の110番通報の方法が存在しました。

今回はその中でもスマートフォンを活用した通報の方法を紹介します。

チャットや文字入力で110番通報

都道府県によっては、チャットや文字入力で110番通報ができる仕組みを導入している県警があります。

実際に数カ所の県警ページを確認すると、現在のところ仕組みや使い方がバラバラではありますが、県警単位でしっかりと運用されているようです。

例えば神奈川県警では文字対話方式メール110番という仕組みが運用されています。

例:神奈川県警察メール110番システム・FAX110番

いくつかの県警を確認してみましたが、県警単位での運用で、利用しにくそうではあります。

主な特徴はこのようになっていました。

  • 聴覚に障害があったり、声の出せない状況に限って利用可能。
  • 県警単位で独自に行っているので県が変わると使い方が全然違う。
  • 県内の通報しか受け付けないため、他県ではその県警ページを検索し、利用方法を一から調べなければならない。
  • 現在住所の入力を必須としている県警がある。(現在住所を細かく入力しないと通報画面に進めない。現在位置の住所がわからなければ通報できない。)

このように、あまり使い勝手の良い状況ではありませんが、各県警では電話による通話の110通報以外にも、スマートフォンやガラケーを利用した文字による110番通報を受け付けています。

各都道府県警察の文字による110番通報受付ページは、この記事の文末にリンク一覧を掲載していますので参考にしてください。

DVなどで音声通話では110番ができないといった可能性も考えられる方は、早めにお住まいの都道府県警の文字による110番通報の受付状況を調べ、利用方法を確認しておきましょう。

可能ならスマートフォンのお気に入りに登録するなどの準備をしておくことをお勧めします。

東京都限定 警視庁110番サイト通報アプリ

東京都では他県に先駆けて警視庁110番サイト通報アプリを公開しており、iPhoneやAndroidでの利用が可能です。

このアプリを入れておけば、アプリからすぐに110番通報ができ、LINEのようなチャットで対応してくれるようです。いちいちブラウザを開かなくてもいいところが良いですね。

このアプリは2019年には全国の都道府県警に対応させるという情報もあります。現在の電話による110番通報のように、今いる都道府県などを気にせず一つのアプリで110番通報できれば理想的です。

是非とも一日も早い全国対応を望みます。

東京都:警視庁110番サイト

万一に備えて知っていて損はない

現在DV被害などに遭っていなくとも、声による110番通報ができない状況におかれる可能性はゼロではありません。

こういった場合に役立つ文字による110番の仕組みは、万が一に備えて知っていても損はありません。

また、身近にそういう状況に置かれている人や、置かれる可能性がある人がいる場合は、是非今回紹介した文字による110番通報も存在するということを教えてあげてください。

現在は各都道府県が個別に作ったシステムで、とても利用しにくい仕組みではありますが、近い将来には一つのアプリで簡単に文字で通報できるようになるはずです。

110番通報システムの最新情報にも常に注目しておきましょう。

各都道府県警の文字110番案内ページ

全ての都道府県警察のメール110番を調べて感じたのは、聴覚障害者に限定している都道府県が予想以上に多いという事です。

DVなどで会話が困難な状況での通報もあり得るはずなのに、それをあっさり切り捨てるこの考え方。ザ・お役所とでも言うべきでしょうか。

もし実際にメールなどで110番する必要に迫られたら、障害の有無に関わらず利用するようにしてください。ルールよりも命のほうが大切です。

それにしても、子どもが作ったようなひどいページも散見され、仕組みも使い方も説明の分かり易さもバラバラで、各県警の足並みの揃わなさには恐れ入りました。

ネットで調べる情報なのに、メールアドレスがクリックできないような構造的な欠陥もありました。通報者はまずメールアドレスをコピーしてから、メールアプリで宛先に貼り付ける?有事の際の110番通報なのに、その作業をさせるなど正気なのかと目を疑います。

通報用独自ドメインで運用している県警も複数見られます。こういった通報は住所など個人情報も入力するため、ページが本物の警察のページなのか、ニセの騙しページなのかの見極めが重要です。警察の公式ページのドメイン下にしっかり構築しておかいと、安易に専用ドメインを作られても、利用する側からしたらそのページが本物の警察が運用するページか判断つきません。

ページのURLがセキュアでない県警も複数。URLの先頭がhttpで始まるものです。いまやネットセキュリティの常識であるhttps(SSL暗号化通信)になっていない。つまり通信内容の安全が守られていない。警察ともあろう組織がこれはひどい。

メールなどインターネットを利用して110番したければ、まずは警察署に電話してねっていう県警もあり。。電話が出来ないからメールじゃないの?とツッコみたくなりました。これって県警本部長さんの性格がそのまま出てるんですかね。全くひどいものです。

総括として、現状では通話による110番の代わりになるとは言えないものも相当数あります。

一日も早い全国共通で使える110番アプリの運用開始を切望します。(この県警ごとのバラバラはもうヤダ。。)