ライト付き?ブザー付き?多用途スタンガンの落とし穴

2017年9月18日

スタンガンには、純粋にスタンガン機能のみに絞ったスタンガン専用のものと、ライトやストロボ、防犯ブザーなどスタンガン以外の機能を盛り込んだ多用途のものがあります。

多用途スタンガンには、いろいろな機能がプラスされていいなと思う方もいるかもしれませんね。

でも、そういったスタンガン以外の機能の盛り込むことによる弊害もありますので、今回は様々な機能がプラスされた多用途タイプスタンガンについて解説します。

スタンガンの最も大切な機能はスパーク

スタンガンの最も大切な機能って何だと思いますか?

それはもちろん、電気スパークです。

正常な電気スパーク(高電圧の発生)は、空中スパークで相手を威嚇するときも、実際に相手に押し当てて通電させるときも、基本かつ重要なスタンガンの機能です。

そして、護身用として使用できるスタンガンは、スパークを発生すればそれで良いというわけではありません。護身用として使用するからには、スタンガンには相手の動きを封じるパワーも必要です。護身用のスタンガンには十分に強力なスパークが必要ということになります。

スタンガンはスパークが何よりも大切で、同時にスパークの質も大切だということを覚えておいてください。

強力なスパークは大量に電力を消費する

たかが乾電池1、2個で100万Vを超えるパワーを出力するスタンガンは、スパークの際に大量の電力を消費します。

大きな電力量は、限られた乾電池の電気容量を大量に消費することを意味します。

例えば、国内で最も強力なスタンガンであるS-315では、電池の寿命は約40秒ほどです。護身に使用する際には相手に5秒間押し当てるわけですから、電池寿命40秒は十分な時間ではありますが、それでも決して長い時間であるとは言えません。本格的に強力なスタンガンの電池寿命は、多少の差はあってもこのような時間になります。

強力なスタンガンは大量の電力を消費する。だから電池は数十秒しかもたない。ということになります。

限られた電池の電力をムダにする多機能スタンガン

ここで、冒頭で紹介した多機能スタンガンの電池の消費について考えてみましょう。

スタンガンは電気製品で電池を利用できる。せっかくだからライトや防犯ブザーを入れてしまおう。といった考えから来ている多機能スタンガンは、スタンガン以外の機能を使用するときもスタンガンの電池を消費します。

スタンガンにとって最も大切にしなければならないスパークの源である電池容量を、全く別の用途で消費してしまう多機能スタンガンは、多機能ゆえの安全性をうたってはいますが、本来は全く逆です。多用途スタンガンはスタンガンの電池寿命を著しく縮め、スタンガンの本来の能力を低下させているということになります。

まとめ

多機能スタンガンは、あの機能も、この機能も付いていて、スタンガン専用機よりも安全性が高いと感じるかもしれませんが、実際には電池のムダな消費がスタンガン本来の機能を低下させ、最終的にスタンガンを使用するときに悪影響を及ぼす恐れがあります。

相手を確実に行動不能にできるスタンガンは、それなりに大量の電力を消費するし、電池寿命はそう長くはありません。

スタンガンは相手を確実に、瞬時に動けなくさせられなければ全く意味がありません。そういった観点から、護身用品は強力で、なおかつスタンガン専用機であることに重点を置くように選びましょう。