この催涙スプレーには注意 その3

2019年3月4日

有効期限のない催涙スプレー
▲もしかしたら永久に使えるの?有効期限の表示がどこにもない催涙スプレーの皆さん。

KSPでは催涙スプレーの無料廃棄代行サービスを行っているせいで、普通なら手にすることなど絶対になかったであろう、実に様々な催涙スプレーを観察する機会に恵まれています。もしかしたら日本で一番、多種類の催涙スプレーを見てきたのかもしれない・・

そういった環境だからこそ、これは皆さんに注意喚起しなければと思うことも多々あるわけで。そういった問題催涙スプレーを公開する第3弾。今回は写真の催涙スプレーの皆さんです。

有効期限がない!

どうですかこれ。もしかして永久に使えるということ?

写真を見たら分かる通り、これらの催涙スプレーのボンベ底部には有効期限の印字がありません。それだけではなく、私が見た限りでは底部だけでなく本体のどこにも有効期限の表示がありませんでした。

こんな商品を販売していいのかと愕然とします。

催涙スプレーは圧力缶スプレー製品であり、製造後は微量ながら確実に圧力が漏れて低下し、いずれは噴射できなくなります。有効期限のない催涙スプレーなど責任放棄もいいところです。もし購入したユーザーが有事の際に使用して、圧力が足りずに噴射できなかったらと想像するとゾッとします。

責任の所在は曖昧

さてそれでは、こういった無責任な催涙スプレーが流通してしまう経緯を想像してみましょう。

有効期限がない催涙スプレーが流通していまう最上流の原因は、当然ながら製造工場でボンベ缶底部に有効期限を印字しなかったことが挙げられます。

しかし、スプレー缶を大量製造する工場で、ボンベ底部に印字する工程がない工場など基本的にあり得ないはずです。缶の底部にインクジェットで印字するなどは、スプレー缶製造工場では当たり前の工程です。

ということは・・・恐ろしい構図が見えてきます。

それは、誰かが意図的に有効期限を印字させなかったということです。

もしかしたら、製造工場側が有効期限を表示するせいで、決まった期日になって売れ残った催涙スプレーは廃棄品となってしまう。それを避けるためにあえて有効期限を消したのかもしれません。

もしかしたら、国内の販売業者が海外の製造工場にオーダーする際に、在庫期間の長期化リスクをうやむやにするために、有効期限を印字しないように指示した可能性もあります。

もしかしたら国内の販売店が、有効期限の切れた催涙スプレーの有効期限印字を消して販売した可能性も。

催涙スプレーは、流通の上流から下流までいくつもの業者が介在します。そのどこが、こんな不届きな製品を作りあげたのだとしても、それを実際にユーザーに販売する無責任としか言いようのない販売店が存在し、そしてそれを買ってしまう被害者的なユーザーがいるために、こうして当店に廃棄品が送ってこられるわけで。

呆れてモノが言えません。。

有効期限を超過するということ

当店に山ほど送られてくる廃棄品、時には有効期限を数年過ぎている物もあります。

こういったケースも当店にとっては貴重なサンプルです。どれくらい噴射力が落ちてるんだろうと興味を持ち廃棄噴射をします。すると中にはほんの10センチ程しか飛ばないものも!10センチですよ!ほとんど噴射と言えないような状態で、誤解を恐れずに言えば、ポンプ式のシャンプーと大して変わらないイメージ。

催涙スプレーの有効期限は噴射力に直結します。相手に届かなければ催涙スプレーは100%無意味です。しかも催涙スプレーは命を守るためのもの。有効期限はとても、とても大事なのです。

地味に蔓延している無期限催涙スプレー 気を付けて!

こんな催涙スプレーにひっかかるなど購入者が無知だからなどと言ったら身も蓋もありません。

こんな催涙スプレーを販売するなど人としてどうなんだなどと言っても、利益のために他人の安全など軽視するショップは山ほどいます。

無知なショップに「催涙スプレーは販売後1年間使えるってお客さんに言えばOK」なんて軽々しくいう問屋さんも実在します。(実際過去に直接そう言われて驚いたことがあります。)

だから皆さん、どうか催涙スプレーを購入する時には有効期限の表示と、その根拠をしっかりと確認してください。そのために、一番大事なことだけ伝えます。

それは、必ず製造工場でボンベ底部に印字されていること。

スプレー缶の製造工場なら、ボンベ底部に有効期限を印字する工程など当然持っているはずです。それを故意に消すなどは絶対に裏がある。だからボンベ底部に製造ラインによる有効期限印字があるのかが最大のポイントです。

そしてボンベ底部の印字以外は信用しないことも大事。そもそも製造工場で有効期限印字を故意に省いて出荷された催涙スプレーに、いくら問屋さんやショップが独自に有効期限ラベルを貼っても信用できるわけもなく。。

たかが単純なスプレー製品でも、選択を失敗すると命取りです。皆さん気を付けてくださいね!

もちろんKSPの催涙スプレーにはそんな心配はありません。全てボンベの底部に有効期限が印字されているし、全品チェックして出荷していますので(^-^)