キーリング付き催涙スプレーにカギを付けてはいけない理由

2015年12月28日

キーリング付催涙スプレーの携帯方法に注意

小型催涙スプレーの中にはキーリング付きのものがあります。

キーリングが付いているのでキーホルダーとして常に持ち歩けるといった利点があり、大きさも小型なので女性を中心に人気があります。

しかし、キーリング付きの催涙スプレーを携帯する場合、キーリングに車のカギや家の鍵を付けていけません。

いったいなぜ、キーリング付催涙スプレーにクルマや家の鍵を付けてはいけないのか、具体的な例を交えながら説明します。

カギを付けてはいけない理由

なぜキーリング付き催涙スプレーに車のカギや家の鍵を付けてはいけないのか。理由は簡単です。

それは、カギの使用中に催涙スプレーを使用できないからです。

催涙スプレーにカギを付けてはいけない理由

カギを鍵穴に差し込んでる時、催涙スプレーを使用できないから。

(但し、非接触式カードキーやクルマのキーレスなど「鍵穴にカギを差し込まない場合」は問題ありません。)

なぜそれが問題なのか。それは実際の生活の中でカギをどのような場合に使用しているのかを考えると明確です。

催涙スプレーは必ず相手に向けて構え、ボタンを押して噴射しなければなりません。

もし、カギを催涙スプレーに付けている場合、「カギを鍵穴に入れて使用している時間」という催涙スプレーを使用できない時間を生んでしまいます。

この、催涙スプレーを使用できない時間こそが、避けなければならない「護身としての無防備な時間」になってしまうのです。

それでは、具体的な例をみてみましょう。

カギを付けていると危険な具体例

具体的な例として、私たちが持ち歩く代表的なカギを例にしてみます。

(注意)ここでいうカギとは、鍵穴に差し込むカギを指します。鍵穴を使用しないカギはこの限りではありません。

私たちがよく使用するカギには

  • 家のカギ
  • クルマのカギ

があります。 それぞれの使用シーンと問題点を考えてみます。

家のカギに催涙スプレーを付ける危険性

  • カギを使用する状況
    帰宅時、玄関のドアを開ける際にカギを鍵穴に差し込み回転させて解錠。
  • 問題点
    解錠中に襲われた場合、カギをすぐに鍵穴から抜き、催涙スプレーを構え、噴射して撃退しなければならない。カギは回転させている状態では抜けず、襲われている最中に素早く正確にカギを抜くのは困難。

マンション内失踪バラバラ殺人事件に見る帰宅時の危険な瞬間のように、帰宅時に待ち伏せされ、カギを開けるのと同時に押し入られるという事件も実際に起こっています。帰宅時の玄関ドアを開ける瞬間は、最も注意が必要な瞬間のひとつです。このような状況下において、カギの使用時に催涙スプレーを使用できないのは大変危険です。

クルマのカギに催涙スプレーを付ける危険性

  • カギ使用する状況
    クルマのドアの施錠、解錠時に使用するばかりでなく、運転中は常にカギを差している状態。
  • 問題点
    施錠、解錠中に襲われた場合、カギをすぐに鍵穴から抜き、催涙スプレーを構え、噴射して撃退しなければならない。カギは回転させている状態では抜けず、襲われている最中に素早く正確にカギを抜くのは困難。さらに運転中のトラブルの場合には、クルマのエンジンを切ってカギを抜かなければ使用できない。

例えば、クルマに乗り込んだと同時に暴漢が助手席に乗り込んできた場合、乗車と同時にエンジンをかけていたらエンジンを切ってカギを抜き、催涙スプレーを使用するという手間が発生します。また、ドアの開閉時にクルマの影に潜んでいた暴漢から襲われた場合、鍵穴に差し込んだカギを抜いて催涙スプレーを使用しなければなりません。カギを差し込んでいる最中に突き飛ばされたりしたら、催涙スプレーはカギと一緒に鍵穴にぶら下がったままになり、催涙スプレーを手元から失うため状況は絶望的になります。これは、オートバイも同様です。

キーリング付き催涙スプレーにカギを付けるべきではないことを理解できましたか?

しかし、よく考えるとキーリング付き催涙スプレーに付けてはいけないのはカギだけではないということもわかりますね。

今回は、一般的にありがちなカギに焦点を当てて考えましたが(名前がキーリングだし)、結局のところ最も注意すべきは「キーリングに付けたものが催涙スプレーの使用を邪魔しないか」というその一点です。

そういった視点で捉えると、

  • 重いモノ
  • 大きなモノ
  • かさばるモノ

なども、催涙スプレーの機敏で適切な使用の妨げとなりますので避けるべきです。

お気に入りのキャラクターマスコットを付けてバッグに入れてたけど、いざという時にマスコットがバッグ内に引っかかって催涙スプレーが取り出せない、なんてことになったら大変ですよね。

キーリングの正しい活用法

これまでの説明で、「キーリング付き催涙スプレーのキーリングはいったい何のためにあるの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

実は、キーリング付き催涙スプレーにはキーリング付きならではの便利な活用法もあります。実際にはお客様のアイデア次第という部分が大きなわけですが、具体例を少し紹介します。

キーリングの活用例

  • 壁掛け用リングとして活用
    例えば外出時は持ち歩き、帰宅時は玄関に備えたい場合に、壁にちょっとしたフックがあれば催涙スプレーを簡単に下げられます。小型の催涙スプレーは細身なため、立てて置いても安定しません。フックにぶら下げる方法は、置き場所に困っている時にとても便利です。
  • バッグから取り出すときの補助として活用
    小さなキャラクターマスコットなどの携帯ストラップをリングに付けます(女性の例)。催涙スプレーはバッグの内側にぶら下げ、マスコットはバッグの外側に出しておけば、必要な時はマスコットを引っ張るだけで催涙スプレーを取り出せる(探さなくて済む)といった使い方もあります。外側にぶら下げる部分も、小さなマスコットだったら目立たないので違和感ありませんね。これはズボンのポケットでも同じことが言えます。

活用方法は人それぞれです。皆さんも自分のファッションやライフスタイルに合った活用方法を考えてみましょう。

最後に

キーリング付き催涙スプレーのキーリングは、使い方によってはとても便利ですが、使い方を誤ると思わぬ危険を招きます。キーリングの活用は、どんな時でも催涙スプレーが使えるように、催涙スプレーの使用を最優先に考えてください。

そして、絶対にカギを付けないこと。これだけは忘れないようにしてください。

皆さんの活用法は大丈夫ですか? 日頃から「もし今襲われたら?」と仮定しながら、催涙スプレーをすぐに取り出す練習を十分にしておきましょう。

バッグの底をゴソゴソ探したりしないように、催涙スプレーの携帯方法についてもう一度見直してみてください。

KSP店長 白石