ストーカー被害に注意 さいたま市で22歳女性が男性から首を切りつけられて死亡

2019年1月25日

さいたま市で22歳女性が25歳の男性に首を切りつけられて死亡する事件がありました。

まだ詳細はわかりませんが、恐らくストーカー絡みの事件と思われます。

女性が首切りつけられ死亡 25歳の男を殺人容疑で逮捕 さいたま

2019年1月23日

23日午後5時55分ごろ、さいたま市大宮区宮町2のビル5階の通路で、埼玉県春日部市、会社員、金井貴美香さん(22)が男に包丁で首などを切りつけられた。金井さんは病院に搬送されたが約1時間後に死亡が確認された。県警大宮署は前橋市、自称同市職員、鳥山裕哉容疑者(25)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕し、容疑を殺人に切り替えて調べる。

同署によると、鳥山容疑者は「首を刃物で刺したことは間違いない」と容疑を認めている。金井さんは、このビルに入る会社の従業員で、2人は顔見知りとみられる。春日部署には金井さん側から鳥山容疑者についての相談が寄せられており、同署は「女性やご家族の意向を踏まえ、状況に応じて対応していた」と話している。

現場付近を通りかかった50代の女性は「午後6時半ごろ、ビルの前にパトカーと救急車が来て物々しい雰囲気だった。誰かが担架で運ばれた後、ジャケット姿のサラリーマン風の男性が警察官に連れられていった」と話した。現場はJR大宮駅北東約300メートルの繁華街。

毎日新聞

記事によると、被害者の女性は警察に相談していたそうです。恐らくストーカー被害か、それに近いような恐怖を感じていてたのではと推測されます。

これまも、被害者やご家族が警察に相談していたにも関わらず、警察が防ぎきれなかったストーカー殺人事件はありますし、当店のお客様においても実際にストーカーの被害に遭い、警察に相談したが相手にされなかったというケースも少なくありません。

警察の立場から考えると、ストーカーの相談にしても取るに足らないというケースもあるとは思います。限られた人員で、優先順位を決めながら職務にあたっていかなければならないという事情もあることでしょう。

それでもこのような事件が起きれば、警察の落ち度でもあることは疑いようがありません。警察はストーカー殺人事件を防がなければならない責任があり、防ぐための対策を実施することができ、そして事件の前からストーカー被害を知っているわけですし、何よりも警察は国民を守る義務があります。

今回の事件を見てもわかりますが、警察は万能ではありません。ストーカー被害の相談をしても、多くの場合は周辺のパトロールを増やしますとか、何か進展があったらまた来てくださいとか、そのレベルの対応です。

ストーカーの対策では、まずは相手との平和的な話し合いと、お互いに納得できる終わらせ方が基本です。しかし相手の異常性や固執性などから、そうもいかない場合があります。ある程度被害が進み、少しでも恐怖を感じてきたら警察に相談しておくべきですが、それで万事解決ということにはならない点に注意が必要です。

警察に相談したからと言って、警察が職場や自宅や通勤・通学路を24時間監視してくれるはずもありません。パトロールが増えたからと言ってずっとパトカーが表に止まっているわけではありませんし、警察の目が届かない時間や場所は沢山あるどころか、日常のほとんどの時間は警察の影響外となります。

こういった場合、万が一の時にその場で自分の命を守る手段として護身用品はとても大切です。もし襲われた場合、すぐに110番をしても警察が駆け付けるまで短くても10分以上かかります。過去に私が通報したときは、急ぎと言ったにも関わらず15分かかりました。この10〜15分間がまさに生死を分ける、相手と一対一になる時間であり、自分たった一人で自分を守らなければならない時間です。

今回の事件は、相手がどのようなタイミングでどう襲ってきたのかわかりません。もし被害者の女性が催涙スプレーなど護身用品を持っていたとしても、それで応戦できる状況だったのか、護身用品を使用していたら助かっていたのかもわかりません。しかし、護身用品さえあれば、無防備の場合よりも助かる可能性が高かったのは紛れもない事実です。護身用品を持っていなければ抵抗のしようがないからです。

今回の被害者の方も、ストーカー被害に遭っていたのなら、最悪の事態も起こりうることは想定できたと思います。警察に相談するだけでなく、もう一歩踏み込んだ準備や警戒はできたはずです。それを考えると悔やんでなりません。

ストーカー被害がエスカレートし、身に危険を感じた場合には、まずは念のため警察に相談すること。でもそれで解決だと安心してしまわないこと。そして万が一の時には相手と一対一でも自分の身を守る手段を準備し、同時にストーカー被害が解決するまで決して油断しないこと。これが大切です。

ストーカー被害に遭っている方、ストーカー被害の予感がする方は、ストーカー事件の最悪の結末は殺人事件であることを絶対に忘れず、今のうちに可能な限りの防護策を講じ、常に警戒を怠らないように徹底してください。