催涙スプレーの効果と浴びた時の対処方|よく見る解説と真実

2021年4月13日

催涙スプレーの効果や浴びた場合の適切な対処方法は、現在業界では横並びの、まるでコピーしたかのような説明がほとんどを占めています。

このような量産された説明はどれも画一的で、催涙スプレーの個々の性能差を考慮してなく、もちろん経験をベースにしているとも思えず、ユーザーにとって役に立つ正しい情報とは言い難いと感じています。

私は実際に当店の商品であリ、催涙成分の科学的根拠から業界で最も強力であるポリスマグナムシリーズを顔面に浴び、実体験テストをした経験があります。

また、当店は業界では珍しい不要催涙スプレーの廃棄代行サービスを行なっていることから、実に様々な催涙スプレーを手に取り、目の当たりに(たまに間違って浴びたり)してきた経験があります。もしかしたら私は、日本で最も多種類の催涙スプレーを見てきた人間かもしれません。もしかしたらですが。

このページではこれらの経験に基づき、催涙スプレーの効果と浴びた際の適切な対処法方について正しく説明します。

なぜ催涙スプレーを自分に実験したのか

まず私(KSP店長:白石)が、なぜポリスマグナムを自分の顔面に浴びて実験したのか、その理由から説明します。

護身用品の効果と威力はユーザーにとって生死を分ける最重要ポイントです。

本当の護身用品というものは、使用すれば相手の動きを確実に封じ、身の安全を確保する時間が得られる物でなければなりません。もし護身用品の効果が十分でなければ、護身が失敗に終わるどころか、相手の反撃によってさらに危険が増大する恐れがあります。

一方、護身用品の安全性もまた重要な課題です。護身用品を使用した相手が死亡したり、重篤な後遺症が生じてしまうことはあってはなりません。安全であることもまた、護身用品の重要なポイントです。

催涙スプレーにおいては、効果の面では相手が確実に動けなくなること、動けない時間が十分に持続することが重要です。安全面においては、失明や視力障害、皮膚のただれ、呼吸器疾患などの後遺症が残らないことが大切です。

しかし、これらを実際の人間に対して実験するには大きな責任が伴います。

被験者に重篤な後遺症が起きたり、命に危険が及ぶ可能性を考えると、危険な実験は自己責任において自分自身を実験台にするしかありません。

このような理由から、私は自分自身を実験台とし、催涙スプレーの体験テストを行いました。

実際の実験映像がこちらです。

催涙スプレーの効果説明について

それでは本題に入ります。

催涙スプレーの効果の説明について、一般的な説明と実際とを比較します。

一般的に行われている効果の説明

一般的に多数見受けるコピペのような説明では、催涙スプレーの効果はほとんどが次のように説明されています。

皆さんもよく見かけるものだと思います。

  • 涙が止まらない
  • 咳やくしゃみが止まらない
  • 鼻水が止まらない

まるで花粉症のような説明ですね。

もしこの説明が実際の製品の正しい説明なら、よほど効果の弱い催涙スプレーなのか、詳しく伝える意思がないのか、その両方なのかと思います。この説明を見るだけでは、なぜ催涙スプレーが護身用品として相手の動きを封じることができるのかがよく理解出来ません。

体験に基づく実際の効果とは

実際に体験した結果わかった効果はこのようになります。

  • 顔面全体の激痛で立っていられない
  • 目は針を突き刺されたような激痛が持続して目を開けることは不可能
  • 何かを浴びると人間は無意識に息を止めるので咳やくしゃみや鼻水は出ない
  • 涙が出る出ないは動けるかどうかと密接な関係はない
  • 効果が和らぐまでの間は痛みが激しすぎて気が狂いそうになる

これが実際の効果です。

私も体験するまでは先述した一般的な説明しか知らなかったので、この効果の大きさには激しく動揺しました。それくらい一般的な説明では催涙スプレーの効果が正しく説明出来ていないと言えます。

  • この体験結果は業界最強のポリスマグナムでの結果です。もっと弱い催涙スプレーは沢山ありますのでご注意ください。
  • 心配していた視力低下や皮膚のただれ、味覚障害、呼吸発作など重篤な症状も起きず、安全性についても無事に確認出来ました。

なぜ説明の違いが起こるのか

それではなぜ催涙スプレーの説明について、ここまで現実と違う説明が広がってしまったのでしょうか。少し推論してみます。

由来はどこかの言語の直訳?

先ほど紹介した一般的な効果の説明に加え、よく見かける表現として「燃えるような感覚」などがあります。この表現はなんだか翻訳ソフトの直訳そのままのような雰囲気を感じます。この一般的に広まっている催涙スプレーの説明は、もしかしたらどこかの国の説明文を誰かが直訳したものなのかなと想像してしまいます。

ほとんどの説明がコピペ?

催涙スプレーは自分で体験しない限り、その効果を説明するためには付属説明書の文章を翻訳してそのまま利用するか、どこかのサイトの内容をコピーする以外ありません。そして恐らく、ほとんどの催涙スプレーには輸入時に説明書が付いてなく、販売店が自力で説明文を作文するしかないと思われます。

結果的にどこかのサイトの説明文をコピーして使用する行為はインターネットでは有りがちで、どこのショップの説明も右にならえで同じ文章になることは容易に想像できます。

販売側における説明の重要性の認識不足

催涙スプレーは製品によってそれぞれ違いがあります。性能も、効果も、安全性も違います。そしてこれらの製品ごとの違いを正確に説明することは、使用するユーザーにとっては非常に重要です。

にも関わらず、どの催涙スプレーも画一的に、まるでコピーしたような同じ説明をする行為は、すなわち催涙スプレーが命を左右する重要な役割を担っていることを販売側が認識していないと言えます。

製品によって違うはずなのに

催涙スプレーの性能や効果は製品によって千差万別

催涙スプレーの性能や効果は製品によって千差万別です。噴射能力もそれぞれ違いますし、操作方法も違いがあります。噴射状態も霧状のものから液状まで様々で、同じ液状でも粘度の大小があり、匂いも色も違うし、もちろん催涙剤自体の効果の大きさもそれぞれです。

なぜこのようなことがわかるのかというと、当店が催涙スプレーの無料廃棄代行ボランティアを長年行なっているためです。このボランティアは本来、催涙スプレーの廃棄に困った方々の力になるために始めたものでした。廃棄作業にかかるコストには苦労することも多々ありますが、催涙スプレーを販売している以上は廃棄までが責任だと自負して続けており、皆様からは大変喜ばれています。もちろんボランティアなので、他店が販売した催涙スプレーの廃棄も無料で引き受けています。そして、予想していなかったですが、このボランティアの副産物としてとても多くの催涙スプレーに触れる機会が得られました。恐らく国内で販売されている催涙スプレーは、そのほぼ全て把握できているのではないかと思っています。

こういった貴重な経験を通し、催涙スプレーには明確な強い弱いの差があることなどを知ることが出来ました。

催涙スプレーの性能はどれも一緒ではないことは間違いありません。

多種類の催涙スプレーに同じ説明は不可能

催涙スプレーには催涙剤の性質もそれぞれの製品によって異なります。ヒグマ専用のスプレーのように明らかに人間にとっては度を越し危険なものから、間違えて顔に浴びても臭いだけでなんともない物まで、実に多様です。

ここまで性能に差があるのに、どの催涙スプレーもコピーしたような同じ文章で説明できるはずがありません。催涙スプレー全てを同じ説明文で済ませることは不可能なのです。

催涙スプレーを浴びた場合の対処方法

催涙スプレーを浴びてしまった場合の対処方法についても、これまで述べてきた催涙スプレーの効果と同様に、ほぼコピーの同じ文章が横行しています。

催涙スプレーを浴びてしまった場合の対処方法は、催涙スプレーの性能が千差万別であるために、対処方法も本来はそれぞれ違いがあるはずです。

一般的に見かける対処方法

大量の冷水で洗い流してください

実際に有効な対処方法

痛みが和らぐまで冷やし続けてください

これらの説明の違い

大量の水で洗い流してくださいという説明は、大量の水を使用すれば催涙剤が洗い流せ、症状が回復するものとユーザーに誤解を与えます。しかし実際には、ポリスマグナムの催涙剤は大量の水を使っても洗い流せるものではありませんでした。経験上最も効果のあった対処方法は冷やし続ける事でした。

催涙剤の効果は、私たちの身近で最も近い感覚として言うならば激辛料理を食べた後の舌の痛みに似ています。実際には比較にならないほど強力ですが、その痛みの根源的な性質は、激辛料理を食べた時の舌に残る痛みに近い印象でした。
となると、水で洗い流すことが出来ないのは誰でも理解できると思います。激辛料理を食べた後に水を飲みたくなるのは、舌を冷やすと痛みが和らぐからです。また、舌を冷やした直後は痛みが和らいでもすぐに痛みがぶり返し、また水を口に含みたくなる、そのパターンも催涙スプレーを浴びた顔面の感覚に酷似しています。つまり、辛味成分は料理では舌、催涙スプレーでは顔面の皮膚に浸透し刺激を与え続け、痛みを一時的に緩和するためには冷やすほかはなく、最終的には自然と痛みがなくなるまで時間が過ぎるのを待つしかないという事です。

このような症状なのに「大量の水で洗い流してください」では的外れな対処方法と言わざるを得ませんし、実際に浴びてしまった人は水で洗っても痛みが無くならないことで困惑するはずです。私も実験では実際に困惑しパニックになりました。

もちろん私が体験したのは業界最強成分のポリスマグナム催涙スプレーであり、先述の対処方法の説明もポリスマグナムに対して有効なものです。

これまで何度も述べてきた通り、催涙スプレーの性能差は千差万別です。中には洗うまでもなく、服で拭うだけで平気な催涙スプレーもあります。つまり、催涙スプレーを浴びた場合の対処方法も、本来は製品ごとにそれぞれ違いがあるはずなのです。

画一的に同じ文章のコピーのような説明が一般的になっているこの状況は、最終的にはユーザーが正確な情報得られない結果に繋がるのではと危惧しています。

最後に

催涙スプレーは製品ごとの性能差が千差万別なため、効果や対処方法もそれぞれ異なります。多品種の全ての催涙スプレーを同じ説明で済ます事は不可能です。

この事実を知ってか知らずか、護身用品業界の催涙スプレーはあまりにもその効果と対処法の説明が画一的で似通っており、しかも間違っている可能性すらあります。

催涙スプレーは最も扱いやすく、初心者にもお勧めできる護身用品です。しかしいくらユーザーフレンドリーとはいえ、ユーザーの命を守るという重要な責任は変わりありません。

当店は、催涙スプレーを手軽な護身用品などと軽視せず、とことん真剣に検証し、説明し、ユーザーへの責任を果たす姿勢が何より重要だと考えています。

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